公共貸付制度高額医療費貸付制度の仕組み
数多くある公共貸付制度の中でも高額医療費貸付制度は、多くの人が利用しやすい制度です。
病気や怪我で支払う医療費は、
政府管掌健康保険及び船員保険に加入している場合、
定められた率の自己負担額があります。
この自己負担額には限度額が設定されています。
医療費から算出された自己負担額から
自己負担上限額を引いた額が高額医療費として、
超えた分(入院時の食費・差額ベッド代・進医療にかかる費用は含まず)が支給される制度があります。
この制度の名称は、
「高額療養費制度」と言います。
この制度により医療費を受け取れるのは、
最初に受診した月から少なくても3ケ月後です。
その理由は、医療機関から医療保険機関に提出された
レセプト(診療報酬請求書)が審査され確定した後で
高額療養費の審査が行われるからです。
一定期間後(約3ケ月後)に超えた分が支給されるにしても
一時的に医療機関への支払いを行わなければなりません。
その期間が待てない人の為の制度が、「高額医療費貸付制度」です。
高額医療費貸付制度は、
将来に給付を受けられる高額療養費を担保として
無利子で貸付を受けられる制度(融資制度)です。
高額医療費貸付の申請先は
、加入している保険により違います。
政府管掌健康保険なら
管轄の社会保険事務所、
企業独自の健康保険は会社の健保組合、
国民健康保険は住民登録している市区町村の国民健康保険課です。
いずれも申請は、本人だけでなく代理人でも申請することが可能です。
この制度を利用方法は、
自治体や保険組合により若干の違いがあります。
また、多くの医療機関では、
支払いの前にこの制度の利用する旨を伝え
、医療機関の了承を必要とする場合が多いです。
貸付額は、高額療養費に該当する医療費の8割から9割です。
自治体により全額を貸付てくれるところ、
一定額を上限としているところがあります。
また、自治体によって(例えば、東京都墨田区)
他では貸付け対象とならない差額ベッド代や食事負担金までも無利子で貸付てくれるところもあります。
各機関で共通している貸付条件は、
保険料の滞納がないことです。
地方自治体の場合、
前記条件に加えて一定期間の居住期間や連帯保証人がいること、
一定額の所得以下であること、市町村税の滞納がないこと等が求めらています。
高額医療費貸付は、
申請人の口座に直接支払われます。
期間は、申請後約2週間です。
そして、3ケ月後の高額療養費は、
保険機関に支払われ貸付金の精算が行われます。
高額医療費貸付制度の利用は、
加入している医療保険により手続き方法が異なり、
基準も一律ではないので、
医療機関および医療保険の所轄機関への問合わせが必要です。
高額医療費貸付制度
医療費を貸し付けてくれる高額医療費貸付制度
高額医療費貸付制度とは、高額医療費が払い込まれるまでの医療費の支払いにあてる資金を、無利子で貸し付けてくれる制度です。高額医療費貸付制度の詳細を説明する前に、まず高額医療費制度について知る必要があります。
高額医療制度は、国民健康保険・社会保険・船員保険などの健康保険を利用して治療を受けた際に、1ヶ月に1箇所の病院でかかった医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた金額を払い戻してくれる制度です。
医療費とは純粋に治療にかかった費用で、入院時の差額ベッド料や食事療養費などは含まれません。
自己負担額については、平成18年10月より医療保険制度が改定され、0歳から69歳までの人に対する計算方法と、70歳以上の人に対する計算方法が違っています。
また、その中でも0歳から69歳までの人のうち、一般所得者、標準報酬月額が56万円以上の上位所得者、住民税非課税の低所得者の3つのカテゴリーに分かれています。外来と入院を合わせた計算方法は、一般所得者が8万100円+(医療費の総額−26万7000円)×1%で、4ヶ月目からは一律4万4400円です。上位所得者では15万円+(医療費の総額−50万円)×1%で、4ヶ月目からは8万3400円です。低所得者に対しては3万4500円、4ヶ月目からは2万4600円です。
70歳以上の人は、一般所得者、月額28万以上の所得者、低所得者、所得が一定以上ある場合と4つのカテゴリーに分かれます。一般所得者は外来のみが1万2000円、入院をした場合は合算4万4000円、月額28万以上の所得者は外来が4万4000円、合算が8万100円+(医療費の総額−26万7000円)×1%で、4ヶ月目からは4万4400円です。
低所得者は外来が8000円、合算では2万4600円で、一定以上の所得者は同じく8000円で、合算は1万5000円です。ちなみに70歳以上は、合算以上の自己負担額以上を支払う必要がありません。
高額医療費の払い戻しには、3,4ヶ月必要です。その間にかかる高額な医療費を払うのが困難な場合は、国民健康保険では必要金額の9割、社会保険・船員保険では必要金額の8割を無利子で貸し付けてくれます。
ただし条件としては、保険料支払いの滞納がない事です。
申請先は、国民健康保険は市町村役所の国保担当窓口で、社会保険は被保険者の住所地の協会けんぽです。
申請に必要な書類も異なっていて、国民健康保険は市町村によって申請の仕方が変わるため、直接窓口で確認する必要があります。社会保険は、高額医療貸付金申込書の他、高額医療費支給申請書・高額医療費貸付金借用書・保険点数のついた医療費請求書・被保険者証の4種類です。
診療日の翌月1日から2年経つと、時効によりこの請求は出来なくなりますので、注意が必要です。